こんにちは。
エムズ総合歯科クリニック東中野の管理栄養士、江村と申します。
暑さの厳しい折、皆様いかがお過ごしでしょうか。
「むし歯は甘いものを食べすぎるとできる」と聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、歯の健康を守るうえで大切なのは、単に甘いものを控えるだけではありません。実は、食事の「質」そのものが、歯の強さや歯ぐきの健康、さらにはむし歯や歯周病の予防に深く関わっています。
まず、むし歯の原因となるのは、糖分をエサにして酸を出す細菌(ミュータンス菌など)です。この酸が歯の表面(エナメル質)を溶かすことでむし歯が始まります。つまり、糖分の摂取量と摂取頻度が高いほど、むし歯リスクは高くなるのです。
では、食事の「質」とは何かというと、栄養バランスの良さがカギになります。歯や骨の主成分であるカルシウムやリン、それを体内で活かすためのビタミンD、そして歯ぐきなどの組織を健康に保つビタミンCなどの栄養素は、どれも不足すると歯のトラブルを招きやすくなります。
さらに、よく噛む習慣も歯の健康には重要です。硬いものや繊維質の多い食品(例:野菜、海藻、ナッツなど)をよく噛むことで唾液がたくさん分泌されます。唾液には、むし歯の原因となる酸を中和し、歯を修復する再石灰化を助ける作用があるため、自然なむし歯予防になります。
また最近では、清涼飲料水やフルーツなど、酸性度の高い食べ物・飲み物によって歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」も注目されています。酸性の飲食物を頻繁にとると、エナメル質が徐々に溶けてしまい、むし歯とは異なる形で歯が弱くなるリスクがあります。
結論として、歯の健康を守るには、
• 栄養バランスの良い食事をとる
• 甘いもの・酸性のものを摂りすぎない
• よく噛んで唾液を出す
といった食習慣がとても大切です。
美味しくて健康的な食事が、実は「歯の寿命」にも大きく関係していると意識して、毎日の食生活を見直してみましょう!