食事の質が歯の健康を左右する理由

担当: 管理栄養士 江村 | 2025.08.20

こんにちは。

エムズ総合歯科クリニック東中野の管理栄養士、江村と申します。

暑さの厳しい折、皆様いかがお過ごしでしょうか。

「むし歯は甘いものを食べすぎるとできる」と聞いたことがある方は多いでしょう。しかし、歯の健康を守るうえで大切なのは、単に甘いものを控えるだけではありません。実は、食事の「質」そのものが、歯の強さや歯ぐきの健康、さらにはむし歯や歯周病の予防に深く関わっています

まず、むし歯の原因となるのは、糖分をエサにして酸を出す細菌(ミュータンス菌など)です。この酸が歯の表面(エナメル質)を溶かすことでむし歯が始まります。つまり、糖分の摂取量と摂取頻度が高いほど、むし歯リスクは高くなるのです。

では、食事の「質」とは何かというと、栄養バランスの良さがカギになります。歯や骨の主成分であるカルシウムやリン、それを体内で活かすためのビタミンD、そして歯ぐきなどの組織を健康に保つビタミンCなどの栄養素は、どれも不足すると歯のトラブルを招きやすくなります。

さらに、よく噛む習慣も歯の健康には重要です。硬いものや繊維質の多い食品(例:野菜、海藻、ナッツなど)をよく噛むことで唾液がたくさん分泌されます。唾液には、むし歯の原因となる酸を中和し、歯を修復する再石灰化を助ける作用があるため、自然なむし歯予防になります。

また最近では、清涼飲料水やフルーツなど、酸性度の高い食べ物・飲み物によって歯が溶ける「酸蝕症(さんしょくしょう)」も注目されています。酸性の飲食物を頻繁にとると、エナメル質が徐々に溶けてしまい、むし歯とは異なる形で歯が弱くなるリスクがあります。

結論として、歯の健康を守るには、

• 栄養バランスの良い食事をとる

• 甘いもの・酸性のものを摂りすぎない

• よく噛んで唾液を出す

といった食習慣がとても大切です。

美味しくて健康的な食事が、実は「歯の寿命」にも大きく関係していると意識して、毎日の食生活を見直してみましょう!

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