こんにちは。
エムズ歯科クリニック東中野医院で歯科医師をしております津田です。
先日、祖母から
「よしと、昨日はみがきをしていたらちょっとだけ血がでてきたの…歯槽膿漏じゃないかしら??すごく心配…」
と連絡がきました。
最近は歯槽膿漏という人も減ったなあなどとぼんやり考えながら、祖母はしっかり毎日オーラルケアをしており歯科医院に予防のために定期的に行っている方なので、大丈夫だから安心していいよ。と伝えてその時は終わりました。
さて、本題としてはこの「歯槽膿漏」についてです。
歯肉炎、歯周炎、歯槽膿漏、歯周病
何がどう違ってどうすればいいの??という疑問を耳にすることがあるのでそれについて一つ解説をします。
歯周病 という大きな括りの中に 進行度別に
歯肉炎 軽度歯周炎 中等度歯周炎 重度歯周炎(歯槽膿漏)
と分けられるというだけのことです。
まとめてしまえばすべて歯周病です。
歯肉炎は歯ぐきが悪くなった状態
それが進行して骨が悪くなってしまった状態を歯周炎といい
更にそれが進行してしまい、歯の周りの骨がなくなって膿が溜まってしまっている状態を重度歯周病(歯槽膿漏)と表現します。
重度歯周炎となると歯を残すことは大変難しく、中等度までで行うような歯石除去や歯ぐきを切開しての外科処置を行っても残念ながら効果が期待できません。
また歯周病の怖いところは他の全身の疾患との関連が引き起こされやすくなるということです。
最近の研究では全身の病気の代表格、糖尿病の増悪因子として歯周病があるということは明らかにされてきました。また歯周病は認知症のリスクを何倍にもさせる可能性があるという報告もでてくるようになりました。
そしてなによりも歯周病は痛くないのです。
痛くないから自分では気が付きにくい。歯がなんだか揺れてきてご飯が食べづらいなと思ったときにはすでに重度で手遅れ…。なんてことが一番悲しい。
そうなる前に予防だと思って歯科医院でしっかり検診するような習慣をつけてもらえると我々、歯を守るものとしては嬉しいです。