こんにちは。
磯子 歯科医師の山口将です。
本日は、保険診療で作製する入れ歯の一般的な製作工程についてお話します。
歯を失ってしまったところを補うために行う処置の一つが入れ歯です。
失っている歯の箇所や粘膜の形、金属のばねをかける歯の形は人それぞれですので、洋服に例えるならばすべて「オーダーメイド」で作製することになります。
入れ歯を作る前段階として、残っている歯の処置やむし歯や歯周病により残すことのできない歯の抜歯を行います。まずはお口の中の環境を整えるということを行っていきます。
場合によっては、今まで使っていた入れ歯を改造して活用したり、治療用義歯と言って、入れ歯がないと食事の際や見た目に困りますので、暫間的入れ歯を作製することもあります。
残っている歯の処置が終わりましたら、いよいよ入れ歯の作製のスタートです。
入れ歯の完成には約5回の来院が必要です。
最初にお口の中の概形の型取りを行います。ここで、残っている歯の形や粘膜の大まかな形を模型にして把握していきます。
2回目の来院時に精密な型取りを行います。
前回の型取りで作製した模型を元に、患者様にあった型取りのためのトレーを作り、細部まで型取りできるようにします。
3回目では、正しい位置での咬み合わせを取ります。
患者様にあった咬み合わせを取ることは、完成した入れ歯を快適に使用していくことに大きく関係していきますので、とても重要な工程です。
4回目では入れ歯の仮合わせを行います。
入れ歯の形、部分入れ歯であればバネをかける位置、噛み合わせの高さ、見た目は大丈夫かなどを確認していきます。
5回目で完成した入れ歯を装着します。
完成後すぐ上手に使用できるとは限りません。
歯ぐきは柔らかいですので痛みが出たり、外れやすかったりする場合があります。
ですので、細かな部分の調整を数回行うことで、お口の中に馴染むようにします。
また、上記の治療の流れは一般的な治療工程になります。来院回数や期間に関しては、お口の中の状況によって前後することがありますので、担当医にご相談下さい。