こんにちは。歯科医師の山口です。
今回は親知らずについて、なぜ歯ぐきの下に埋まっていることが多いのかを書こうと思います。
親知らずが斜めに生えたり歯茎に埋まったりする理由は複数あります。主な要因は以下の通りです。
- 進化の遺産:人類の進化の過程で、親知らずは必要なくなったと考えられています。昔は草食動物のように固い食物を噛む必要があったため、大きな顎と多くの歯が必要でした。しかし、現代の食事は柔らかく加工されているため、親知らずは不要となり、進化の過程で退化してしまった可能性があります。
- 顎のサイズと歯の数の不一致:親知らずは他の歯と比べて大きく、顎のサイズに合わないことがあります。そのため、斜めに生えたり、歯茎に埋まったりすることがあります。
- 遺伝的要因:親知らずの生え方は遺伝的に影響を受けることがあります。親や祖父母の歯の生え方が似ている場合、子孫も同様の傾向を示すことがあります。
- 環境要因:親知らずの生え方は環境によっても影響を受けます。歯の発育に影響を与える要因として、食事、噛む力、口腔内のスペースなどが挙げられます。
総じて、親知らずが斜めに生えたり歯茎に埋まったりするのは、進化の過程や遺伝的要因、環境要因などが絡み合っているためです。
こうした親知らずですが、一番奥に生えているので歯ブラシが届きにくく、そもそも埋まっていたりすると歯ブラシは当たりません。ですので、むし歯や歯周病による痛みが出る前に予防的に抜歯を行うことが推奨されることが多いです。
精密な診査や診断を行い、治療方針を決めていきますので、親知らずでお悩みの方は歯科医師にご相談ください。