こんにちは。エムズ歯科クリニック港南台の歯科医師飯田です。
小児矯正がブームをむかえています。
なぜ大人になってからも歯並びは治せるのに子供の時から治す必要があるのでしょうか?
それを考察してみます。
実は9歳以後、成長で歯が並ぶためのスペースは増えないようです。
また、上顎の成長は思春期にはピークを過ぎていて、上顎の成長のコントロールは思春期以前に行う必要があります。
一方、下顎は思春期と同時に大きく成長し、そのあともしばらく続きます。
思春期の成長の開始は、女性では11歳から12歳、男性では13歳から14歳です。
混合歯列期=乳歯と永久歯が混在する時期=おおむね6歳から12歳くらいです。
この時期に特に治しておいたほうが良い歯並びがあります。
それは、
①開口 前歯が咬んでない
②反対咬合 前歯が逆に咬んでいる
③交差咬合 奥歯が逆に咬んでいる
④上下の顎の前後的な位置関係がよくない
⑤臼歯の噛み合わせ
以上です。
なぜこれらを混合歯列期に治した方がよいのかは
・放置すると顎の成長に影響を与えるから
・この時期だからこそ治しやすい
・成長の抑制、促進といったコントロールが可能
以上の3点がその理由かと思います。
確かに、大人になってからも歯並びは治せます。
しかし、顎の成長はすでに終わっていて、子供の時からの歯並びに影響を受けた結果の顎です。
また、アンバランスな歯並びで歯や顎が受けたダメージも見えるものから、見えないものまで伴っての成人矯正となります。
矯正は大人になってからもできます。
しかし、子供から大人になるまで良い歯並びで過ごすことが歯や顎といった構造物の長持ちには大切なのは明らかではないでしょうか?
矯正治療は原則自由診療となりますが、顎が変形していたり特定の診断が歯科医師によりなされた場合に限り保険適応となる場合もあります。
小児は自分の歯並びの良し悪しの判断はできませんので、歯科医師含め周りの大人の観察が大事ですね。