こんにちは。エムズ歯科クリニック能見台歯科医師の中保です。
11月となり紅葉の楽しみな季節になりましたがいかがお過ごしでしょうか。
さて、最近歯科治療において「白い詰め物」や「セラミック治療」を聞く機会が増えましたが、これらは保険が効かず高額になることが一般的でした。しかし、保険適用で白い詰め物ができる「CAD/CAM冠」という技術が注目を集めています。今回は、この保険適用の白い詰め物(CAD/CAM冠)について、その特徴やメリット・デメリットを詳しくご紹介します。
CAD/CAM冠とは?
CAD/CAM冠とは、コンピュータを使って作製される保険適用の白い詰め物のことです。名前の由来は「CAD(Computer-Aided Design)」と「CAM(Computer-Aided Manufacturing)」から来ています。これらの技術を駆使して、患者さんの歯型をスキャンし、そのデータをもとに詰め物を正確に作り出します。保険が適用されるため、コストを抑えながら自然な見た目を得られるのが大きな特徴です。
保険適用の範囲
CAD/CAM冠は、前歯や小臼歯、一部の大臼歯に対して保険が適用されます。具体的には、上下の前歯小臼歯と、上下の大臼歯の一部が保険適用範囲となっています。ただし、患者さんの口腔環境や噛み合わせによっては、必ずしもCAD/CAM冠が選ばれるわけではないので、歯科医師としっかり相談することが大切です。
CAD/CAM冠のメリット
- 見た目が自然 CAD/CAM冠は白色の素材を使用しているため、金属の詰め物とは異なり、笑ったときや話すときに目立ちにくい点がメリットです。
- 金属アレルギーの心配が少ない CAD/CAM冠は主に樹脂とセラミックの混合素材で作られているため、金属アレルギーのある方でも安心して治療を受けることができます。金属アレルギーを心配される患者さんにとって、この治療法は大きな選択肢になります。
- コストパフォーマンスが良い 保険適用範囲で白い詰め物ができるため、コスト面でも負担が少なく、審美的な治療を受けられます。自費のセラミック治療に比べてかなり安価であるため、広く普及しています。
CAD/CAM冠のデメリット
- 耐久性が劣る 自費のセラミックに比べると、CAD/CAM冠は樹脂を含んでいるため、長期的な耐久性に劣るとされています。特に強い噛み合わせの力がかかる部分では、欠けたり摩耗したりするリスクがあるため、定期的なメンテナンスが必要です。
- 適用範囲が限定される 全ての歯に適用されるわけではなく、主に前歯小臼歯や条件により大臼歯に限定されます。
- 審美性に制限がある場合も 純粋なセラミックと比較すると、CAD/CAM冠の素材は若干の色合いや透明感の違いがあるため、審美的な要求が非常に高い場合には満足できないこともあります。
保険適用の白い詰め物(CAD/CAM冠)は、自然な見た目と金属アレルギーの回避が可能な治療法として、非常に魅力的な選択肢です。ただし、耐久性や適用範囲の制限など、デメリットもあるため、歯科医師としっかり話し合いながら治療方法を選ぶことが大切です。審美性とコストのバランスを考えながら、あなたに最適な治療法を見つけてください。