保険の白い材料で作る被せ物や詰め物はどうやってできるの?

担当: 歯科医師 山口 | 2024.11.18

こんにちは。綱島 歯科医師の山口です。
今回は、保険診療で使われる強化プラスチック(以下CAD/CAM冠)で作る被せ物や詰め物はどうやってできるのかを説明していきます。

CAD/CAM冠の製作過程は、デジタル技術を駆使して高精度かつ効率的に行われます。

まず、患者様の口腔内の状態を正確に把握するために、3Dスキャナーを使用して歯や歯ぐき等の周囲の組織をスキャンします。このスキャンしたデータは、従来の印象材を用いた型取りに比べて精度が高く、固まるまで時間を待ったり、お口の中に型取りの材料が入らないのでとても快適です。スキャンが完了すると、そのデータを歯科技工士のコンピュータに送り、CAD(Computer-Aided Design)と呼ばれるソフトウェアで処理されます。

次に、歯科技工士がCADソフトウェアを使用して、スキャンしたデータを基に冠の設計を行います。この設計の段階では、歯の形状や咬合(噛み合わせ)を考慮しながら、最適な形状をコンピューターが生成します。設計は自動化されているため、短時間で高精度なデザインが可能です。しかしこれは完璧な形ではないため、設計者である歯科技工士は必要に応じて微調整を行い、患者様の個々のニーズに合わせたカスタマイズも行います。

設計が完了すると、そのデータはCAM(Computer-Aided Manufacturing)というシステムに送られます。CAMシステムでは、ミリングマシンと呼ばれる3Dプリンターのような機材を使用して、ハイブリットレジンと呼ばれる強化プラスチックのブロックを削り出して冠を製作します。ミリングマシンは非常に高精度で、設計通りの形状を再現します。従来の手作業に比べて誤差が少なく、品質の高い補綴物が出来上がります。

加工が完了した冠は、取り出されて仕上げの工程に入ります。仕上げでは、必要に応じて手作業で微調整や研磨を行い、最終的な形状や表面の滑らかさを整えます。この段階で、冠の色調や透明感も調整され、自然な見た目に仕上げます。

最後に、我々歯科医師の元に完成したCAD/CAM冠が届き、患者様の歯に装着します。

このように、CAD/CAM技術を用いることで、従来の手作業に比べて高精度かつ効率的に冠を製作することが可能です。患者様にとっても、短時間で高品質な治療を受けることができるため、非常に有益な技術が使われているのです。

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