皆さん、こんにちは。エムズ歯科クリニック港南台院長の長谷川です。6月に入り、梅雨の季節になりましたね。なんだか気分もどんよりしがちですが、梅雨が明けると猛暑が待っていると思うと、もうすこし梅雨が続いてほしい気もしますね。
今回のテーマは、皆さんも一度は気になったことがあるかもしれない「親知らず」についてです。「私の親知らず、そろそろまずい?」「抜いた方がいいのかな?」なんて、不安に思っている方もいるのではないでしょうか。
今日は、そんな親知らずについて、歯科医師の視点から、抜くべきかどうか、そして抜く場合のメリットとデメリットを分かりやすく解説していきます。ぜひ、最後まで読んで、あなたの親知らずとどう向き合うかの参考にしてみてください。
◆親知らずってどんな歯?
親知らずは、前から数えて8番目に生えてくる奥歯のことで、正式には「第三大臼歯」といいます。他の歯が生えそろった10代後半から20代前半くらいに生えてくることが多いのですが、中には全く生えてこない人や、大人になってから生えてくる人もいます。
また、親知らずは、まっすぐに生えてこないことが多いのが特徴です。斜めに生えていたり、歯ぐきの中に埋まったままだったり、一部だけ顔を出していたりと、生え方は人それぞれなんです。
◆親知らずは必ず抜かないといけない?
結論から言うと、親知らずは必ずしも抜かなければいけないわけではありません。きちんとまっすぐに生えていて、周りの歯や歯ぐきに悪影響を与えていない場合は、そのまま様子を見ることもあります。
しかし、次のような場合には、抜歯を検討することが推奨されます。
親知らずを抜くメリット
* 虫歯や歯周病のリスク軽減:
斜めや中途半端に生えた親知らずは、歯ブラシが届きにくく、汚れがたまりやすいため、虫歯や歯周病のリスクを高めます。親知らずの周りの炎症が、手前の大切な奥歯にまで広がってしまうこともあります。抜歯することで、これらのお口のトラブルを未然に防ぐことができます。
* 歯並びの悪化予防:
親知らずが、他の歯を押してしまい、歯並びが悪くなることがあります。特に矯正治療後など、せっかく綺麗になった歯並びが親知らずによって再び乱れてしまうのを防ぐ効果が期待できます。
* 痛みや腫れの解消:
親知らずが生えてくる際に、痛みや腫れを伴うことがあります。また、炎症を繰り返すこともあります。抜歯することで、これらの不快な症状から解放されます。
* 顎関節への影響軽減:
まれに、親知らずの生え方によっては、顎の関節に負担をかけ、顎関節症の原因となることがあります。抜歯によって、顎関節への負担を軽減できる可能性があります。
* 口臭の改善: 親知らずの周りに汚れが溜まりやすいと、口臭の原因になることがあります。抜歯によって、お口の中を清潔に保ちやすくなり、口臭の改善につながることがあります。
親知らずを抜くデメリット
* 手術が必要:
親知らずの抜歯は、場合によっては外科的な処置が必要になります。特に、歯ぐきに埋まっている親知らずを抜く場合は、歯ぐきを切開したり、骨を削ったりすることがあります。
* 痛みや腫れ:
抜歯後には、痛みや腫れが生じることがあります。通常は数日から1週間程度で落ち着きますが、個人差があります。
* 出血:
抜歯後、しばらく出血することがあります。
* 神経麻痺のリスク:
下の親知らずの近くには、舌や下唇の感覚を司る神経が通っていることがあります。まれに、抜歯の際にこの神経を傷つけてしまい、一過性の麻痺が起こることがあります。事前にレントゲンなどで神経の位置を確認してから抜歯を行います。
* 治療期間と費用:
抜歯には、事前の検査や抜歯後の経過観察など、ある程度の時間と費用がかかります。
◆抜くかどうかの判断は歯科医師と相談して
親知らずを抜くべきかどうかは、お口の状態や親知らずの生え方によって異なります。自己判断せずに、まずは歯科医師に相談し、レントゲンなどの検査を受けて、適切な診断を受けることが大切です。
もし、親知らずについて気になることや不安なことがあれば、お気軽に当院までご相談ください。皆さんの歯とお口の健康を守るために、全力でサポートいたします。