こんにちはエムズ歯科クリニックの歯科技工士の佐藤です。10月になりやっと秋めいてきました。秋晴れの心地よい季節となりましたがみなさまはいかがお過ごしでしょうか?スポーツに行楽、読書など何をするにもよい季節になりました。私も秋を満喫したいと思います。
さて今回お話しさせていただく内容は洗口剤(マウスウォッシュ)についてです。洗口剤は様々なところで販売されています。スーパーやコンビニ、ドラッグストアなどどこでも手軽に購入することができると思いますが、それらにどのような成分が含まれているか、どのような効き目があるか見ていきましょう。ちなみに洗口剤はあくまで補助でありプラークの除去にはブラッシング、デンタルフロス、歯間ブラシ、歯科医院で行うクリーニングが重要になります。洗口剤の種類には、大きく二つに分けられており
- 歯や虫歯の塊の表面に作用するもの
- 虫歯の菌の中にまで浸透し、作用するもの
があります。今回は歯や虫歯の塊の表面に作用するものを詳しく見ていきます。
- グロクロン酸クロルヘキシジン(CHG)
グロクロン酸クロルヘキシジンは外科処置用の消毒液によく配合されている成分で、殺菌効果に定評があり、海外でもスタンダードな殺菌成分として活用されています。細菌の周りには糖類のバリアで囲まれておりそのバリアに作用し殺菌します。色々な細菌に効果を示し、プラークが再び歯に付着することを抑制します。副作用としてアナフィラキシーショック、歯の着色、味覚異常、歯石沈着が報告されていますが、副作用が現れにくいように低濃度に調整されています。
- 塩化セチルピリジウム(COC)
強い殺菌と抗カビ作用をもった陽イオン性界面活性剤です。歯磨剤や洗口液だけでなくウエットティッシュやスプレーなどの成分としても使用されています。口の中の細菌の塊と唾液などの水分の境界を壊して殺菌します。低濃度でも効果があり毒性や刺激が少ないのが特徴で歯面にプラークが再びつくことを抑制します。副作用として過敏症、刺激感があります。
- 塩化ベンゼトニウム(BTC)
塩化セチルピリジウムと作用は同じで口の中の細菌だけでなく一般的な細菌にも殺菌効果を示し、口の粘膜に対しても適応が広く、傷の場合にも適応できます。副作用は過敏症、刺激感があります。
洗口剤の成分、効能について見てきましたが、ブラッシング、フロスの補助として使用するのが効果的で歯や菌の塊の表面に作用させブラッシングするととても効果が高くなります。虫歯の予防のフッ素が含有しているものもあるので虫歯になりやすい方はそちらを使用するのも良いと思います。洗口剤は歯周病を治す効果はあまりありません。歯科医院での定期的なクリーニングが効果的です。洗口剤について興味を持たれた方はぜひ当クリニックスタッフまでご相談ください。お待ちしております。