こんにちは、歯科技工士の小澤です。
早いもので今年もあと少しですね。
皆さんはどんな年になりましたか?
さて、今日は保険適応の白い歯『CAD/CAM冠』について書いていこうと思います。
少し前までは、前歯は金属ベースの正面から見える部分だけ白い補綴物や、奥歯は金属のみの補綴物でしたが、最近では前歯から6番目の奥歯まで、全て白い補綴物のCAD/CAM冠が保険適応になっています。
その補綴物の成分は、歯科用の強化プラスチックにセラミック粒子を混ぜたハイブリットレジンという素材で出来ています。
ハイブリッドレジンは自費で使われている素材でもあり、セラミック粒子の量によって強度は変わりますが、以前から保険で使われている硬質レジンよりも強度がある素材です。
そんなCAD/CAM冠ですが、金属の補綴物と比べて利点と欠点がありますので、書いていきます。
利点
・歯の色に近く光の透過性もある為、口の中に馴染みやすく、この色こそが金属と比べると大きく違うCAD/CAM冠の1番の特徴といえます。
・金属が入っていない為、金属アレルギーの方にも問題なく装着できる。
・金属に比べて柔らかい為、噛み合う歯にダメージを与えにくい。
欠点
・金属に比べ強度が弱いため、壊れやすい。
・素材の特徴から吸水性があり、それが匂いの素となったり、着色しやすい。
・金属に比べ柔らかい素材の為、歯ぎしりや食いしばりで破損してしまったり、摩耗しやすい。
・基本的に単冠でしか使用できない為、欠損歯がある場合にブリッジにする事が出来なかったり、歯に動揺がある場合に補綴物を連結して歯を保護する事が出来ず、金属の補綴物よりも制限があり応用がきかない。
以上のように、CAD/CAM冠が全て優れている訳ではなく、やはり金属の被せ物の方が優れている部分もあります。
しかし、限られた制限の中ではあるものの、保険適応内で金属より自然感のあるものを選択できるというのは良い事ではないかと思います。
条件さえ整っていれば、今お口の中にある金属の歯を白い歯に変える事も出来ますので、気になる方は歯医者さんにご相談してみて下さい。
では、寒くなってきましたので体調にお気をつけてお過ごし下さい。