むし歯とは(歯科治療ガイド)

むし歯は、口の中の細菌が出す酸が歯の一番かたいエナメル質を溶かしてしまうことからはじまります。
その後、エナメル質よりもやわらかい象牙質、歯髄へと進行します。この頃になると、歯が痛みだします。

むし歯の進行

C1 むし歯の第一段階

歯の表面をおおっているエナメル質が脱灰(歯が溶ける)している状態です。
痛みはあまり感じませんが歯の表面が白く濁っていたり、茶色等に着色してザラついていたりします。
まだ穴になっていません。

むし歯の第一段階

C2 むし歯の第二段階

象牙質の層にまで進んで穴があいている中等度のむし歯です。冷たいものを食べたり飲んだりすると歯がしみます。

むし歯の第二段階

C3 むし歯の第三段階

むし歯が大きな穴になって象牙質のすべてに及び、歯髄(神経)まで達した深在性う蝕です。炎症を起こすと、激しい痛みをともないます。

むし歯の第三段階

C4 むし歯の第四段階

歯がくずれて根だけが残ってしまった状態です。このままにしておくと歯髄が腐敗してしまい、さらに歯周病へと進んでいきます。

むし歯の第四段階

むし歯治療後の注意

  • むし歯は、食べ物の残りカスが原因になることがほとんどです。毎食後、正しい歯みがきをするように心がけましょう。
  • アメ、キャラメル、ガム、チョコレートなどや、甘い飲み物はなるべく避けましょう。糖分は、ハチミツや果糖からとった方がむし歯になりづらいです。
  • やさい、くだもの、牛乳、お茶などのほか、体によい食べ物や飲み物は、歯にとってもよいものです。意識してとるようにしましょう。
  • 今後少しでも歯が痛くなったり、詰めていたものがとれたりしたらすぐにご連絡ください。放っておくとまたむし歯になってしまいます。
野菜
果物
飲み物

むし歯を予防するには

むし歯・歯周病を予防するには、なんといっても口の中の清潔を保つことです。正しい歯磨きを毎日行いましょう。
しかし、歯ブラシだけでは歯と歯の汚れを完璧に取り除くことが非常に困難です。歯間ブラシやデンタルフロスなどを使うのが効果的です。

定期的に歯科検診を受けることも、大切な予防手段の一つです。普段のブラッシングではとれない歯の汚れや歯石を取り、口の中の健康をチェックします。
そのほかにも、むし歯の予防法として、フッ素を使用し歯質を強化する方法もあります。また、食習慣や生活習慣も重要です。


むし歯になりやすい人

遺伝や歯並びが悪い、唾液成分の細菌に対する抵抗力が弱いなどの理由で、生まれながらにむし歯や歯周病になりやすい人がいます。他にも、食習慣や歯みがきの頻度、方法、喫煙などの生活習慣が影響します。

また、年齢によってもむし歯ができやすい時期があります。歯が生え始めてから18歳くらい(人によっては20歳くらい)までの方と年配の方は、むし歯ができやすくなります。

前者は歯がまだ若くエナメル質が柔らかいので、酸に弱いためです。
後者は、細菌に対する抵抗力が弱まってしまうためと考えられています。