こんにちは。磯子 歯科医師の山口です。
今回は、歯ぐきが下がることについてお話ししようと思います。
歯ぐきが下がることを専門用語で歯肉退縮と言いますが、主に歯の周りの組織や歯自体がすり減り、歯の根が露出した状態のことをいいます。
これは、加齢変化で誰にでも起こることではありますが、歯肉退縮による症状は人によって違います。
歯肉退縮が起こると、以下のような症状が表れます。
1つ目は見た目が良くなくなるということです。
歯の頭の部分が長く見えるため、以前より見た目が不自然になります。特に前歯だとわかりやすいです。また、歯周病による歯肉退縮が原因ですと、歯ぐきの色や形も不自然に見えることがあります。
2つ目は歯がしみるようになることが挙げられます。
歯の根が露出することで、冷たいものがしみたり、ひどい場合ですと風が当たるだけで痛むようになります。歯の根の露出は、歯周病の徴候であることが多く、硬い歯ブラシによるブラッシングが原因となることもありますので注意が必要です。
3つ目は歯がぐらぐらするようになることです。
歯肉退縮が重度の場合ですと、歯ぐき内で細菌が繁殖し歯周病が進んでしまいます。その結果、歯が揺れてぐらぐら揺れてくることもあります。
では、歯肉退縮の原因ははどのようなものがあるでしょうか。
まずは歯周病です。
症状のところでも何度か出てきましたが、歯周病は口の中の細菌が原因で起こる歯ぐきや歯を支える骨の病気です。歯周病が進行すると歯ぐき組織と歯を支えている骨が破壊されます。歯周病の初期段階では痛みなどの症状は発生しないことが多く、大抵の場合は気づかないうちに進行していきます。
次に挙げられるのが日常の歯ブラシのしすぎです。
強い力で歯磨きをしたり、長時間歯磨きしすぎたりすると、歯のエナメル質がすり減ってしまい、歯肉退縮の原因となります。
最後に挙げるのが、歯ぎしりや歯並びによるものです。
歯ぎしりや食いしばりによって歯に過度な力がかかると歯肉退縮の原因となります。
また歯並びやかみ合わせが原因で、歯に均等に力がかからないと負担が強いところに歯肉退縮が起こることもあります。
以上が歯肉退縮の主な原因です。
歯肉退縮が軽度で症状が無ければ、それ以上進行しないように、歯磨きを適切に行ったり、歯科医院での定期的な健診で口に中の状態を維持するようにしましょう。