日本における歯磨き粉の歴史について

担当: 歯科医師 渡邉 | 2023.08.05

こんにちは、祐天寺の渡邉です。

今年の例年に比べ、早い時期から夏が感じられた分とても暑い日が続いていますね。皆さん熱中症やコロナに気をつけて夏を楽しんでください。

 

歯磨きの際に必ずと言っていいほど使用している歯磨き粉ですが、「歯磨き粉」は現在ペースト状のものが主流になっており粉のものは現在使用されていません。「歯磨き粉」という名前だけは現在も使われ続けている「歯磨き粉」ですが、日本における歯磨き粉についてお話ししていきます。

日本における歯磨き粉の販売は、江戸時代初期まで遡ります。江戸で陶土を水でこしたものに香料を混ぜてそれを指で歯磨きしていたそうです。粒子が粗いため磨けば磨くほど歯が削れてしまったそうです。様々な工夫がこなされていき、丁子屋喜左衛門が朝鮮伝来の製法を取り入れて売り出した「大明香薬」や、元禄期に創業し今も文京区で商売を続けている「かねやす」の「乳香散」、式亭三馬の滑稽本『浮世風呂』に商品名が登場する「梅紅散」など様々な商品ができていきました。歌川豊国により「おはようの歯みがき売り、百眼米吉」という浮世絵に当時の様子が描かれています。当時は「おはよう、おはよう」の掛け声が歯磨き粉売りの合図だったそうで、薬屋のように朝路地を駆け回っていたようです。この浮世絵は、神奈川県歯科医師会にある歯の博物館に展示されています。ご興味がありましたらぜひ夏休みに見に行ってみてください。

現在のようなペーストタイプの歯磨き粉が主流化し出したのは、戦後の高度経済成長に伴いCMにより広まっていきました。歯磨剤はペースト状ですが、昔からの名残で「歯磨き粉」がいまだに使われています。

時代の進化により、虫歯や歯周病、インプラントなど様々な用途に応じた歯磨剤が様々あります。今、自分の口の中に合った歯磨き粉を我々と一緒に探してみてはどうでしょうか。いつでもご相談ください。定期検診でお待ちしております。

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