マウスピース型矯正

エムズ歯科クリニックのマウスピース型矯正(自由診療)。透明で取り外しできる装置で歯並びを整えます。費用・期間・リスクもご説明します。

歯の模型とモニターを置いたカウンセリングスペース

マウスピース型矯正について

マウスピース型矯正は、透明なプラスチック製の装置(アライナー)を使って歯並びを整える治療法です。取り外しができ、装着中も目立ちにくいことから、見た目が気になりにくい治療です。エムズ歯科クリニックでは、歯科用CTと口腔内スキャナーを用いた精密な診断をもとに、患者さま一人ひとりに合った治療計画をご提案しています。

なお、マウスピース型矯正は自由診療(自費)です。治療内容・費用・期間・リスクについて、ご納得いただいたうえで治療を始めていただけるようご説明します。

マウスピース型矯正の基礎知識

マウスピース型矯正とは

マウスピース型矯正とは、透明なアライナーを使って歯並びを整える治療法です。従来のワイヤー矯正とは異なり装置の取り外しができ、装着中も見た目が気になりにくいことが特徴です。

この治療法は1997年にアメリカで開発され、世界中に広まっています。代表的なメーカーであるインビザライン(Align Technology)の公表値では、90ヶ国以上で提供され、これまでに2,100万人以上が治療を受けたとされています(2025年9月30日現在、同社公表値)。日本でも近年広まっており、矯正治療の選択肢の一つとなっています。

歯が動く仕組み

歯は、持続的で適切な力が加わることで少しずつ動きます。マウスピース型矯正では、コンピューターで設計した一連のアライナーを順番に装着することで、段階的に歯を目標の位置へ動かします。

対象となる症例

患者さまのお話を伺う歯科衛生士

マウスピース型矯正は、次のような歯並びのお悩みに対応できる場合があります。

叢生(そうせい)

:歯が重なり合っている状態(いわゆる「ガタガタの歯」)

空隙歯列(くうげきしれつ)

:歯と歯の間に隙間がある状態(すきっ歯)

上顎前突(じょうがくぜんとつ)

:上の前歯が前に出ている状態(出っ歯)

下顎前突(かがくぜんとつ)

:下の前歯が前に出ている状態(受け口)

開咬(かいこう)

:奥歯を噛み合わせても前歯が閉じない状態

ただし、骨格的な問題が大きい場合や、症状が重い噛み合わせの場合には、ほかの治療法との組み合わせが必要になることもあります。

ワイヤー矯正との使い分け

当クリニックでは、患者さまの症例や生活スタイルに応じて、ワイヤー矯正とマウスピース型矯正を使い分けています。

ワイヤー矯正が適している場合
  • 複雑な歯の移動が必要な症例
  • 抜歯を伴う治療
  • 歯の根から大きく動かす必要がある場合
  • できるだけ短い期間での治療を希望される場合
マウスピース型矯正が適している場合
  • 軽度から中等度の歯並びのお悩み
  • 装置が目立ちにくい治療を希望される場合
  • 接客業・営業職など、人と接する機会が多い方
  • 管楽器の演奏などを続けたい方

エムズ歯科クリニックの治療

これまでの実績と体制

エムズ歯科クリニックでは、これまでに1,000症例以上のマウスピース型矯正を行ってきました。法人内のすべての症例は、当法人の理事で歯学博士の荒井昌海が治療計画を確認・最終承認する体制を整えています。これにより、一定の水準を保った治療を受けていただけるよう努めています。

また、当院の担当医は、マウスピース型矯正の代表的なメーカーであるインビザラインにおいて、5年連続で「ダイヤモンド」区分の認定を受けています(これは年間の症例数に応じた区分であり、治療の優劣を示すものではありません)。さらに、マウスピース型矯正に関する書籍『アライナーシミュレーションガイド』(クインテッセンス出版)を執筆し、全国でセミナーを行うなど、治療の研鑽を続けています。

デジタル機器による精密な診断

口腔内スキャナー(iTero Lumina)

当クリニックでは歯科用CTと口腔内スキャナーを備えています。従来の印象材(粘土のような材料)を使った型取りではなく、デジタルスキャンによる歯型採取を行うことで、より正確な治療計画の立案につなげています。

口腔内スキャナーによる型取りは数分で済み、嘔吐反射が気になる方の負担軽減が期待できます。その場でご自身の歯並びを3次元画像で確認でき、保護者の方とご一緒に見ていただくこともできます。あらかじめ治療後の歯並びのイメージをシミュレーションで確認したうえで治療を始められます。

治療期間に配慮した装置の導入

スキャナーで読み取った歯の3Dデータを確認する歯科医師

当クリニックでは、治療期間に配慮するための光照射装置を導入しています。特定の波長の光を1日1回、上下それぞれに数分間照射する装置です。

光が骨の代謝に働きかけることで、歯の移動に必要な骨の改造(リモデリング)が進みやすくなり、治療期間の短縮が期待できるとする報告があります。ただし効果には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるものではありません。

参考として、光照射(フォトバイオモジュレーション、PBM)と歯の移動に関しては次のような研究報告があります。いずれも一般的な学術知見であり、当院での効果を保証するものではありません。

前歯部のアライメント到達までの期間について、口腔内PBM群で短縮がみられたとする予備的臨床研究の報告があります(Shaughnessy et al., 2016, BMC Oral Health)。

LEDによるPBMが歯の移動に影響を与える可能性を報告した二重盲検・プラセボ対照の臨床研究があります(Ekizer et al., 2016, Lasers in Surgery and Medicine)。

アライナー治療に光照射装置を併用した群で整列速度が高かったとする報告があります(Memè et al., 2022, Applied Sciences。交絡の可能性が指摘された研究デザイン)。

治療を続けるうえで大切なこと

マウスピース型矯正では、患者さまご自身での装着時間の管理がとても大切です。決められた装着時間を守れない場合や定期的な通院ができない場合には、期待する結果が得られない可能性があります。食事と歯磨きのとき以外は、できるだけ長い時間装着していただく必要があります。1日の装着時間の目安については、初診相談の際にご説明します。

私の経験上、マウスピース型矯正がうまくいくかどうかは、患者さまご自身の理解と協力にかかっていると感じています。ご自分で取り外せるぶん、装着時間を守れないとなかなか歯が動きません。「歯並びを整えたい」というお気持ちが、治療を進めるうえで何より大切になります。

治療の流れ

  1. 1

    初診相談

    気になっている点を伺い、歯並びの状態を確認します。おおまかな期間・費用・治療内容について、冊子を用いながらご説明します。

  2. 2

    精密検査

    診査・診断に進む場合、歯科用CT撮影・口腔内スキャン・口腔内写真撮影などを行い、診断に必要な資料を集めます。

  3. 3

    治療計画の立案

    集めた資料をもとにデジタルシミュレーションで治療計画を作成します。治療後の歯並びのイメージや必要なマウスピースの枚数などを確認いただき、ご納得いただけた場合に計画を承認し、マウスピースの作製に進みます。検査後、治療計画の作成には約1〜2週間かかります。

  4. 4

    治療開始

    治療計画の承認後、約2週間でマウスピースが届きます。必要に応じてアタッチメント(補助装置)を歯の表面に設置したり、IPR(歯と歯の間に隙間を作るための削合)を行ったりしてから、装着を開始します。光照射装置を使用する場合は、使用方法もご説明します。

  5. 5

    定期チェック

    4〜6週間ごとに経過を確認します。治療の進み具合に応じて、IPRなどを追加することがあります。

  6. 6

    保定期間

    すべてのマウスピースを使い終わり、歯並びが整った後は、後戻りを防ぐために保定装置を使います。保定装置のためのスキャンや説明を行います。保定は、はじめのうちは食事と歯磨きのとき以外はできるだけ長く装着いただき、その後は就寝時のみの装着に移行します。

画面の写真を見ながら説明する歯科医師

治療について知っておきたいこと

マウスピース型矯正のメリット

  • 目立ちにくい:透明な装置のため装着中も目立ちにくく、見た目が気になる方にも取り入れやすい治療です。
  • 取り外しができる:食事や歯磨きの際に取り外せるため、お口の中を清潔に保ちやすくなります。ワイヤー矯正と比べて、むし歯や歯周病のリスクを抑えやすいとする報告があります。
  • 装着時の違和感が少ない:金属を使わないため、お口の中を傷つけにくく、装着時の違和感も少ないとされています。話しにくさも従来の装置と比べて軽減される傾向があります。

マウスピース型矯正のデメリット・注意点

  • 装着時間の管理が必要:決められた装着時間を守る必要があり、装着時間が不足すると予定どおりに歯が動かない可能性があります。
  • 対応できる症例に限りがある:すべての歯並びのお悩みに対応できるわけではなく、症状が重い噛み合わせや骨格的な問題がある場合には、ほかの治療法が適していることがあります。
  • 紛失・破損のおそれ:取り外せるため、紛失や破損のおそれがあります。この場合、治療の進行に影響することがあります。
  • 光照射装置を使う場合は毎日の使用が必要:使用を忘れると、期待される治療期間の短縮が得られない可能性があります。

装着時間を守れないと、動いた歯が元の位置に戻る(後戻りする)ことがあります。毎日きちんと装着することが難しい場合には、ワイヤー矯正をご提案することもあります。

費用について

マウスピース型矯正は自由診療(自費)です。費用の目安は463,000〜1,225,000円(税込)です。症例の複雑さや治療期間によって異なります。このほか、治療後の保定装置(リテーナー)の費用(固定式は片顎26,000円、マウスピース式は上下1セット39,000円。いずれも税込)と、経過観察料5,000円(税込・1回あたり)がかかります。詳しい費用は初診相談の際にご説明します。

治療期間と通院頻度

治療期間は症例の程度によって異なります。軽度な症例では短く、抜歯を伴うような複雑な症例では長くなる傾向があり、おおよそ半年〜2年程度が目安です。個人差があるため、詳しい見通しは検査後にご説明します。

通院は4〜6週間に1回程度の定期チェックが必要です。

主なリスク・副作用

矯正治療には、次のようなリスク・副作用が伴うことがあります。治療前に詳しくご説明し、ご理解いただいたうえで治療を始めます。

  • 歯根吸収(しこんきゅうしゅう):歯を動かすことで、歯の根が短くなることがあります。原因は十分に解明されていません。
  • 歯肉退縮(しにくたいしゅく):歯を動かすことで歯ぐきが下がり、歯の根が見えてくることがあります。当院ではCTデータをもとに顎骨の範囲を確認しながら計画を立てることで、リスクの軽減に努めています。
  • 顎関節の一時的な違和感:治療中は噛み合わせが変化するため、一時的に顎の関節に違和感が出ることがあります。多くは治療が進むにつれて和らいでいくとされています。
  • 後戻り:治療後、歯並びが元に戻ろうとすることがあります。保定装置の使用で後戻りの予防に努めます。
  • 装着時の痛み・違和感:新しいアライナーに交換した際などに、痛みや圧迫感が出る場合があります。
  • 適応外となる可能性:診査・診断の結果、マウスピース型矯正が適さないと判断されることがあります。

光照射装置を使用する場合の注意点として、次の点があります。

  • 光に対する過敏症がある方は使用できない場合があります
  • 妊娠中・授乳中の使用については事前にご相談ください
  • 使用方法を守らない場合、期待される効果が得られない可能性があります

薬機法において承認されていない医療機器について

  • インビザラインは、医薬品医療機器等法(薬機法)上の承認を受けていない医療機器です。
  • 入手経路:米国アライン・テクノロジー社が製造した製品を、インビザライン・ジャパン株式会社を通じて入手しています(医師による個人輸入に該当します)。
  • 国内承認医薬品等の有無:マウスピース型矯正装置として薬機法の承認を受けている製品は、国内に複数存在します。
  • 諸外国における使用状況:インビザラインは1998年に米国FDA(食品医薬品局)より医療機器として認証を受け、世界各国で使用されています。
  • 万一重篤な副作用が生じた場合、国の医薬品副作用被害救済制度の対象となりません。

個人輸入された医療機器のリスクについては、厚生労働省「個人輸入において注意すべき医薬品等について」をご確認ください。

よくあるご質問

個人差はありますが、新しいアライナーに交換した際に、軽い違和感や圧迫感を感じることがあります。従来のワイヤー矯正と比べて、痛みが出にくい傾向があるとされています。多くの場合、2〜3日で慣れることが期待できます。

まとめ

マウスピース型矯正は、透明で取り外しができるという特徴をもつ矯正治療法です。見た目と機能の両面に配慮した治療が期待できる一方で、装着時間の管理など、患者さまご自身の協力が治療の成否に大きく関わります。

マウスピース型矯正は自由診療です。治療をご検討の際は、まずは初診相談にて、費用・期間・リスクも含めてお気軽にご相談ください。

参考文献

1. Rossini G, Parrini S, Castroflorio T, et al. Periodontal health during clear aligner treatment: a systematic review. Eur J Orthod. 2015;37(5):539-543.

2. Zheng M, Liu R, Ni Z, Yu Z. Efficiency, effectiveness and treatment stability of clear aligners: A systematic review and meta-analysis. Orthod Craniofac Res. 2017;20(3):127-133.

3. Cardoso PC, Espinosa DG, Mecenas P, et al. Pain level between clear aligners and fixed appliances: a systematic review. Prog Orthod. 2020;21(1):3.

4. Galan-Lopez L, Barcia-Gonzalez J, Plasencia E. A systematic review of the accuracy and efficiency of dental movements with Invisalign. Korean J Orthod. 2019;49(3):140-149.

5. Shaughnessy T, Kantarci A, Kau CH, et al. Intraoral photobiomodulation-induced orthodontic tooth movement: a systematic review. BMC Oral Health. 2016;16:3.

6. Cronshaw M, Parker S, Anagnostaki E, et al. Photobiomodulation and orthodontic tooth movement: a systematic review. Photomed Laser Surg. 2019;37(11):689-697.

監修

荒井 昌海

荒井 昌海

  • 医療法人社団翔舞会 前理事長/歯学博士
  • 1999年 東京医科歯科大学歯学部 卒業(現 東京科学大学)
  • 2003年 エムズ歯科クリニック 開院
  • 2016年 東京医科歯科大学大学院 修了・博士号取得(現 東京科学大学)
  • 大阪歯科大学 客員教授
  • 日本成人矯正歯科学会 会員
  • 主な論文:「老人介護保健施設における口腔衛生管理の長期的効果 – Oral Health Assessment Toolスコアでみた変化 –」老年歯学(2020年35巻1号)
  • 主な論文:「The role of functional phosphoric acid ester monomers in the surface treatment of yttria-stabilized tetragonal zirconia polycrystals」Dental Materials Journal(2017年)
  • 前理事長のプロフィール・発表論文の一覧はこちら

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