睡眠時無呼吸症候群(SAS)

当院では、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)の検査・治療を行っています。

SICAT AIRとは?

当院ではマウスピースを作製する際に、SICAT AIRというデジタル機器を使用しております。SICAT AIRは口腔内の気道を解析するための世界初の3Dソリューションソフトウェアであり、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療計画作成に特化した機器です。

検査時に撮影したCTの画像と歯列のスキャンをソフトで統合させ、治療計画をデジタル化し、マウスピースを作製します。アナログよりも正確で速く仕上がるので、治療も迅速に進めることができます。

CT

検査画面

マウスピース

SICAT AIRでの治療の流れ

CT撮影・歯列スキャン

ソフトで結合

マウスピース作成

気道のセグメンテーション

いろいろな角度から患者様の気道を撮影し、問題を見落としません。

気道のセグメンテーション
気道の分析

気道の分析

気道閉塞の3Dビジュアライズ、気道断面表示が可能です。

気道比較

健常者の気道と比較し、
どこがどう問題なのかを患者様にわかりやすく説明します。

気道比較
ビューのオプション

ビューのオプション

患者様おひとりおひとりに必要な画像を選択し、
わかりやすく説明します。

マウスピース作製

出来上がったマウスピースを患者様にお渡しいたします。

マウスピース作製

このように、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療計画作成に特化したSICAT AIRを使用し、当院では患者様に寄り添った治療を行っております。SICAT AIRについて詳しく知りたい方は、ぜひエムズ歯科クリニックにお問い合わせください


睡眠時無呼吸症候群(SAS)って何?

無呼吸症候群(SAS)の定義

睡眠に関する病気のひとつで、10秒以上の呼吸停止を、平均7時間睡眠の間に30回以上繰り返す、または1時間に5回以上ある場合に診断されます。睡眠中のことなので自覚症状がない人が多く、治療の開始が遅れてしまう問題もあり、潜在患者数は300万人とも言われています。

無呼吸症候群の定義

発生率

主に、中年以上の太り気味の男性に多いとされていましたが、最近では閉経後の女性にも多く見られるようになりました。
日本人と西洋人で発生率は同じで、日本人の場合は骨格の問題、西洋人は肥満度が問題で起こります。

発生率

無呼吸と低呼吸

“無呼吸状態”とはいうものの、何をもって無呼吸と言うのでしょうか?
無呼吸とは、10秒以上気流停止することです。それと同じ意味を持つのが低呼吸状態です。
“低呼吸状態”は、下記すべてにあてはまる場合、無呼吸と同じ害があります。

  • 50%の換気量低下
  • 10秒以上気流が低下、3%以上のSPO2の低下
  • 10秒以上気流が低下、覚醒を伴う

無呼吸と低呼吸比較図

SAS重症度

睡眠時無呼吸症候群には重症度の分類があり、無呼吸状態と低呼吸状態の回数で判断します。

SAS重症度の分類

軽症 5 ≦ AHI < 15
中等症 15 ≦ AHI < 30
重症 30 ≦ AHI

※AHI(Apnea Hypopnea Index)=1時間あたりの無呼吸+低呼吸数の合計数
(成人の睡眠時無呼吸症候群診断と診療のためのガイドライン2005より)

睡眠時無呼吸症候群の種類

睡眠時無呼吸症候群には2種類あります。

OSA(閉塞性睡眠時無呼吸障害)

OSA

上気道に空気が通るスペースがなくなって、呼吸が止まってしまうタイプです。
睡眠時無呼吸症候群に悩まれている人の実に90%はこちらのタイプです。

CSA(中枢性睡眠時無呼吸障害)

CSA

脳から呼吸指令が出なくなってしまう、呼吸中枢の異常によるタイプです。
全体の10%ほどの人がこちらにあてはまります。
主に心臓の機能が低下した方の30~40%ほどに見られます。

睡眠時無呼吸症候群の人の睡眠状態って?

私たちの睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠という2つの睡眠の種類があります。通常は、眠るとノンレム睡眠から始まり、レム睡眠が約90分ごとに出現し、それが4~5回繰り返されます。

しかしながら、睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中に何度も無呼吸や低酸素血症を起こすため、眠りが浅くなり、レム睡眠が減少します。そうなると睡眠の質が悪くなり、十分に寝たはずでも日中多くの時間眠気を感じたり、健康に悪影響を及ぼしたりするのです。

正常睡眠パターン

グラフ1

睡眠時無呼吸症候群の人の睡眠パターン

グラフ2


睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因と症状

睡眠中に無呼吸になってしまう原因は、空気の通り道である気道が閉塞してしまうことにあります。原因の大きな1つは肥満です。上気道に脂肪がつくことにより上気道が狭くなり、その結果、仰向けに寝たときに上気道の狭窄や閉塞が起こり、無呼吸の発生につながるのです。また、顎が小さい、狭い人もなりやすい病気です。

症状としては、まずいびきです。寝ている時ですから自分ではわからないことが多いですが、ご家族に指摘される人は睡眠時無呼吸症候群かもしれません。また、日中何をしていても眠い人も疑いがあります。例えば人と話している時や重要な会議の最中など、寝てはいけないような時に寝てしまう人は要注意です。夜間に何度も起きてトイレに行く人、起床時に頭痛がある人も可能性があります。

また、睡眠時無呼吸症候群は合併症を起こす原因にもなります。肥満はもちろんのこと、高血圧・高脂血症・不整脈・多血症・虚血性心疾患・脳血管障害・糖尿病などの動脈硬化性疾患の危険因子でもあります。

睡眠時無呼吸症候群の人は、居眠りにより運転を誤ることもあります。2003年には事故を起こした人がこの病気を発表し、話題となりました。夜よく寝られていないことが最大の原因です。

イラスト正常
イラスト原因

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の危険性

睡眠時無呼吸症候群は自覚しづらいと言いましたが、自分が睡眠時無呼吸症候群だと自覚がないと、どのようなことになるのでしょうか?「眠くなるだけなら私生活に支障がないのでは?」と思った人は要注意です。睡眠時無呼吸症候群が原因で起きている事故は、さまざまあるからです。

2018年10月に横浜市の国道で起きた、信号待ちの乗用車と市営バスに後続の路線バスが追突した事故は記憶に新しいのではないでしょうか。この事故で死亡者も出ています。運転手の男はその前の年に睡眠時無呼吸症候群と診断されており、事故との関連が争点となりました。

過去にも、睡眠時無呼吸症候群による居眠りで事故を起こした例がいくつかあります。その多くが事故を起こしてから睡眠時無呼吸症候群との診断を受けています。

新聞記事

専門家によれば、「適切な治療を行っていれば交通事故を起こす確率は一般の人とほぼ同じだが、無治療の場合はその確率は一般人の2~3倍だ」と述べています。取り返しのつかないことが起こる前に、心配だなと思ったらその時点で医者に相談するのをお勧めします。

睡眠時無呼吸症候群が原因の交通事故一覧
2003年2月 JR西日本山陽新幹線居眠り運転事故
2012年4月 関越自動車道高速バス居眠り運転事故
2015年1月 東急バス追突事故
2018年10月 横浜バス7人死傷事故

その他

睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれないと思ったら 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症例

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