マウスピース矯正

マウスピース矯正

歯に力がかかるよう設計したマウスピースを使用していただくことで少しずつ歯が動いていきます。

治療準備

まずはスキャナーを使用して歯型を取ります。従来の方法では型取り用のドロドロした材料(アルジネート)をお口の中に入れて数分我慢していただく必要がありましたが、専用の3Dスキャナーを使用することで、以前より楽には歯型の記録を取ることができるようになりました。次にお顔の写真を撮ります。歯並びは口元の印象に大きく影響しますので、その診査のために複数枚、撮影を行います。集めた資料をもとにAIを併用して治療計画をたて、十数枚~数十枚のマウスピースを作成します。当院ではInvisalignⓇを採用しています。


治療方法

歯を適切に動かすため、必要に応じて歯と歯の間を少し削ったり(IPR)、歯にプラスチックの小さな突起(アタッチメント)を設置します。その後はご自宅でマウスピースを使用していただきます。装着時間の目安は1日20時間ですので、食事と歯磨きのとき以外はずっと装着していただく必要があります。マウスピースは1週間ごとに交換し、1~2か月に一度来院していただき経過を診ていきます。

ご自宅でマウスピースを使用

メリット

一番のメリットは装置が目立たないことです。ワイヤー矯正をしている方が近くにいると分かりますが、装置が非常に目立ちます。海外と比較すると、日本ではまだ矯正治療が一般的とは言えないので、人目を気にして矯正治療を避けていた方も多くいらっしゃいます。マウスピースは透明で薄い素材なので、装着していても目立たず矯正治療をしているとは一見しただけでは分かりません。

次に歯磨きがしやすいというメリットがあげられます。ワイヤーの装置は取り外しができないうえ形が複雑なため磨き残しが多くなり、口臭や虫歯の原因となってしまいます。対してマウスピースは自身で取り外しが可能なので、いつも通り歯を磨くことができ、結果として口臭や虫歯を防ぐことができます。

マウスピース矯正のメリット

最後に痛みが少ないというメリットです。
矯正治療では、歯に力をかけたときに一時的に歯の痛みが起こりますが、一般的にワイヤー矯正よりもマウスピース矯正の方が痛みが少ないとされています。


デメリット

マウスピースをしっかりと歯に適合させることが前提の治療になりますので、ごく稀ではありますがマウスピースが入らないような重度の歯列不正の方は適応外となる可能性があります。また装着時間などはご自身で管理していただく必要があり、指示をしっかり守っていただけないと良好な結果が得られない可能性が高まります。



著者経歴

松尾 一樹

松尾一樹

  • 2016年 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
  • 2017年 エムズ歯科クリニック 入社
  • 2021年 エムズ歯科クリニック能見台 院長

[主な所属・役職]

  • 日本歯周病学会会員
  • 日本口腔インプラント学会会員