小児矯正

子どもを対象にした矯正治療は「小児矯正」「1期矯正」と呼ばれます。大人の行う矯正治療とは目的や方法が異なります。

おおよそ6歳から成長発育が完了するまでの年齢が対象になります。

小児矯正

小児矯正の目的

大人と子どもで最も異なるのは、子供は歯並びや顎の骨の成長が途中であるという点です。成長の余地があれば、歯並びを悪くする原因(後述)を取り除いていくことで、歯並びや顎の骨の成長を正しい方向へ誘導することができます。そのため「咬合誘導」と呼ぶこともあります。


顎の骨の発育不全

顎が正しく成長しないと、歯が生えるためのスペースが不足し、ガタガタした歯並び、出っ歯などの歯列不正を引き起こします。顎の発育は舌によって誘導されるため、舌の筋力が弱かったり、生まれつき舌が短く動かしづらい場合、また鼻呼吸ができずにお口がポカンと開いてしまっている場合、正しい位置に舌を置くことができず、顎の骨が狭いままになってしまいます。


頬筋機能機構(バクシネーターメカニズム)

歯は非常に小さい力でも、押され続けることで容易に動きます。通常であれば内側から舌の筋肉が、外側から頬や唇の筋肉が歯を押すことで、歯はきれいなアーチ状に並びます。これを頬筋機能機構(バクシネーターメカニズム)と言います。指しゃぶり、唇をかむ癖、間違った呼吸法や飲み込み方などは、この力のバランスを崩し、結果として歯並びを悪くしていきます。


治療方法

  • ・大人と同様にワイヤーで歯を動かす方法
  • ・口周りの筋肉を訓練して、正しい顎の発育と歯並びに誘導する方法(筋機能訓練)
  • ・口周りの筋肉の力を装置を介して歯や顎に伝え、動かしていく方法(筋機能矯正装置)

など様々な方法があり、年齢、歯並び、性格や癖の有無によって、適した治療方法・使用器具は異なります。詳しくは歯科医師にご相談ください。



著者経歴

松尾 一樹

松尾一樹

  • 2016年 東京医科歯科大学歯学部歯学科 卒業
  • 2017年 エムズ歯科クリニック 入社
  • 2021年 エムズ歯科クリニック能見台 院長

[主な所属・役職]

  • 日本歯周病学会会員
  • 日本口腔インプラント学会会員