歯の萌出

歯の生え変わりの順序

歯の生え変わりの順序

6歳くらいになると、少しずつ子供の歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)へ生え変わっていきます。

具体的な順番や年齢は上の表をご覧ください。とはいえ、表は目安の年齢であって、生え変わる時期はかなり個人差があります。生え変わりの遅い子は1~2年遅れることもありますので、周りとは少し遅くてものんびり見守っていきましょう。

とはいえ、要注意な生え変わりのパターンもあります。特に注意すべきなのは、以下のような場合です。

  • ・反対側の永久歯は生えているのに、もう一方は乳歯のまま(例えば、右上の前から4番目の歯は永久歯に生え変わりつつあるが、左上の前から4番目の歯は乳歯のまま など)
  • ・生まれたばかりなのに、歯が生えている
  • ・乳歯が生えるのが遅すぎる(例えば、1歳になっても歯が生えてこない など)
  • ・乳歯が抜けるのが早すぎる(例えば、乳歯が4歳までに抜ける など)

歯の生え変わりから分かる病気

乳歯の生え変わりの異常から、全身の病気が分かることがあります。特に乳歯が抜けるのが早すぎる場合には、低ホスファターゼ症という病気の可能性があります。

低ホスファターゼ症とは、骨に関する病気で、大まかにいると、ホスファターゼという酵素がうまく働くことができず、骨が固くならない病気です。
人にもよりますが、骨が固くならない結果、骨折しやすくなったり、骨が曲がってしまったりします。重症な場合は肋骨など呼吸に関わる骨がうまくできず、呼吸困難になる場合もあります。

そして、歯についての症状では、歯が抜けてしまうというものがあります。

低ホスファターゼ症は、以前までは治療が難しいといわれていましたが、近年ではホスファターゼという酵素を補充する治療ができるようになりました。
また、早い段階でホスファターゼという酵素を補充することが重症化を防ぐために重要です。



著者経歴

千原 ひかり

千原ひかり

  • 2018年 大阪大学歯学部歯学科 卒業
  • 2019年 エムズ歯科クリニック 入社
  • 2022年 エムズ歯科クリニック弘明寺 院長

[主な所属・役職]

  • 日本歯周病学会会員
  • 日本口腔インプラント学会会員
  • 日本障害者歯科学会会員